キャベツ

 

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①作物特性

キャベツは極端な暑さや寒さは嫌いますが、土質はあまり選ばず、比較的強健な野菜です。害虫の発生を抑えることが栽培のポイントです。まき時期さえ間違わなければ、特に難しい管理はないので家庭菜園で手軽に取り組める野菜です。キャベツは用途などによって春系キャベツと寒玉キャベツとに分けられます。春系キャベツは葉が軟らかくサラダなどに向いており、寒玉キャベツは葉が厚く硬く結球するので主に焼きそばなどの加熱調理に適します。その他ボール系、黒キャベツなどもあり、特性を理解すれば栽培の楽しみが増えます。夏まき秋冬どり、秋まき春どり、春まき初夏どり、とタネまき時期が分かれますが、それぞれのタネまき時期にあった品種を選択すれば、周年を通した収穫が楽しめます。

②畑の準備

キャベツは過湿には弱い作物ですので、排水の良い畑を選んで作りましょう。また他のアブラナ科野菜との連作は避けましょう。温暖な気候を好みますから、特に秋まき栽培では日当たりの良い場所を選びます。畑にはあらかじめ1㎡当たり苦土石灰100g、堆肥3kg、化成肥料70gを施し、良く耕しておきます。水はけが良くなるように畝(うね)は高めにすると良いでしょう。

③タネまき~育苗

ポットに市販の培養土をつめ、深さ1cm位のまき穴をあけ、数粒ずつタネをまきます。土をかけて散水用のジョウロなどでていねいに水をやります。タネまき後3日位で発芽してきます。芽が土の中から見え始めたら日当たりが良く風通しの良い場所に移動して、育苗します。

キャベツはタネまき時に30℃を超えるようなら発芽率が急に低下します。タネまき時にまだ暑さが残っているようなら、タネをまいて発芽までは直射日光の当たらない軒下など涼しい所において管理します

水やりは軟弱徒長にさせないために「夕方にはポットの土の表面が乾く」程度にします。本葉が出たら生育の良い株を残して間引きをします。間引きは生育に応じて数回に分けて行います。

タネまき時期別の注意点・ポイント:
夏まきの場合(7~8月まき、秋冬収穫)
夏まきでは植えつけ適期の本葉4~5枚の大きさに育つまで、約1ヶ月かかります。畑に植えて丸いキャベツに育つまで早い品種でも約60日かかります。植えつけが遅れて大きく育つ前に寒くなると、球に丸まることが出来ません。しかし早まきすると、タネまき時の気温がまだ高いので発芽がうまくいきません。タネまき時にまだ暑さが残っていて30℃を超えるようなら、タネをまいて発芽までは直射日光の当たらない軒下など涼しい所において管理します。タネまき後3日位で発芽してきます。芽が土の中から見え始めたら日当たりが良く風通しの良い場所に移動し、育てます。

④植えつけ

株間35~40cm、条間60cm間隔で苗を植えます。植えつけ後はたっぷりと水やりします。

⑤追肥・中耕

植えつけてからおよそ2~3週間して外葉が伸び始めたら1㎡当たり70gの化成肥料を追肥し、中耕します。

秋まきの場合は越冬後の2月頃に追肥します。追肥の量は同様で、1㎡当たり化成肥料70gを施し、中耕します。

⑥その他の栽培管理

キャベツはアオムシがよくつく野菜です。特に夏まきで夜温が高い季節は要注意です。キャベツに蝶や蛾が卵を産むことができないように、植えつけたらすぐに防虫ネットをトンネル状にかけておくと効果的です。また卵や幼虫を見つけたら捕殺しましょう。しかし一度葉の間に入るとなかなか捕殺することも難しいので農薬を適切に使うなどして防除します。
「早どりあまいキャベツ」や「おいしいキャベツ」、「早どりボールキャベツ」はプランターでも栽培できます。プランターで栽培する時は大き目のプランターを使って市販の培土を用いると良いでしょう。

⑦収穫

キャベツの球を上から手で押さえて締まっているようなら収穫できます。キャベツの球を斜めに倒し、株元に包丁を入れて切り取ります。

とり遅れると球が破裂します。特に春から初夏にかけての収穫は、適当に雨も降って気温もどんどん上昇しますから、とり遅れないよう注意しましょう。

⑧黒キャベツの栽培

黒キャベツは球にならないキャベツの種類です。栽培はキャベツと同じですが、キャベツより栽培期間が長いので肥料が切れないよう株の様子を見ながら追肥し、水やりすることがポイントになります。

植えつけてから1ヵ月頃から30~40cmの長さの葉を、下から順次摘み取って収穫します。とり遅れた葉は徐々に黄化していきますから刈り捨てていくと茎が長く伸びて長期間収穫を楽しめます。

⑨秋まき栽培の注意点と栽培ポイント(10~11月まき、春収穫)

キャベツはある程度大きく育ってから低温にあたると花芽をつけます。特に大きく育たないと寒さを感じないように育成された品種だけが、秋まきして越冬栽培をしても春に花が咲かず丸まることのできる品種です(「富士早生キャベツ」と「やわらかキャベツ」と「四季どりキャベツ」が相当します)。

しかし秋まき品種も秋に早まきしすぎると、冬になる前に低温を感じて花芽ができて、収穫できなくなります。そこで秋まき栽培では、本葉10枚前後で越冬するように苗を育てることがポイントになります。秋まきではタネまきから30~40日位で本葉4~5枚に育ちますから、その後数週間で本葉10枚になり、初霜が降りる頃にちょうど植えつけ時期がくるよう、あらかじめ逆算してタネをまきます。

⑩春まき栽培の注意点・栽培ポイント(1~3月まき、初夏どり)

春まきではタネをまいてから、発芽までは保温します。本葉4~5枚の植えつけ適期の大きさに育つまで1月まきで45~60日、3月まきで40日程度必要です。なおそのまま暖かい所で育て続けると植えつけの時にいきなり外の寒さや霜に当たって枯れてしまいます。そこで“馴化”と言って徐々に寒さに慣らす期間が非常に重要です。

馴化前の苗の様子。本葉3~4枚に育ったら順化を始めます。

馴化後の苗の様子。馴化はおよそ2週間かかります。植えつけが遅れると、収穫期が梅雨や真夏の暑い季節になってしまい、雨で腐ったり、暑さで小さい玉になってしまいます。春まきでは植えつけのタイミングを考慮してタネまき時期を決めることがポイントです。