シュンギク

 

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①作物特性

シュンギクは栽培が簡単で家庭菜園で手軽にできるキク科の野菜です。葉の切れ込み具合によって大葉種、中葉種、また全く切れ込みのない丸葉種などに分かれ、それぞれ香りも風味も異なります。また株ごと抜き取って収穫する株張りタイプ(抜き取りタイプ)と、伸びた茎葉を摘んで収穫する摘み取りタイプがあります。特に注意すべき病虫害も少なく、品種特性を理解すれば、色々な味わいを楽しめます。プランターでも栽培できます。
冷涼な気候を好む野菜ですから、秋まきの9月中旬~10月上旬のタネまきが最適で、春まきでは4月上旬~5月上旬のタネまきでの栽培に適します。生育期間が短く、通常40~50日程度で収穫できます。長日に反応してとう立ちし、トウが立つと茎葉が固くなるのでその前に収穫を済ませるようにします。

②畑の準備

シュンギクは酸性土壌ではうまく生育しませんから、タネまきの2週間位前に苦土石灰を多めにまいて耕してよく馴染ませておきます。一般的には1㎡当たり、堆肥2㎏、苦土石灰100g、化成肥料70gを施し、うねを立てます。うね幅は70cm位、高さは10cm位が適当です。水が溜まらないようにうねは平らに作ります。

③タネまき

株張りタイプである「やわらかシュンギク」、「大葉シュンギク」、「サラダ用シュンギク」は条間30㎝にまき溝を切り、約5mm間隔にタネをスジまきします。シュンギクのタネは、もともと発芽があまり良くないので多めにタネをまきます。

摘み取りタイプの「中葉シュンギク」は、条間30㎝、株間20㎝程度に点まきします。1cm深さのまき穴をあけ、1カ所に5~6粒タネをまきます。ポット育苗して苗を植えつけてもよいです。

タネまき後、薄く土をかけて軽く鎮圧し、土を固めない程度にていねいに水をやります。芽が出るまではタネが流れないようにジョウロを使ってていねいに水をやりましょう。

④間引き

発芽してきたら生育に応じて間引きをし、本葉3枚頃までに1本立ちにします。

間引きに際、残す株の根を傷めないようにします。根元をハサミ等で切るのもよいでしょう。

すじまきの場合は最終株間が10cmとなるように間引きます。

⑤管理・追肥

株張りタイプの「やわらかシュンギク」、「大葉シュンギク」、「サラダ用シュンギク」は、生育期間も短いので追肥の必要はありませんが、最後の間引きの時に条間を軽く耕し株元に土寄せします。

摘み取りタイプの「中葉シュンギク」は、株の状態を見て追肥します。追肥する場合は、最初の摘み取りが始まった頃に化成肥料を1株当たり30g、株元に施して軽く中耕します。

⑥収穫

株張りタイプは草丈20㎝~25㎝になった頃、株元から切るか株ごと引き抜いて収穫します。

摘み取りタイプの「中葉シュンギク」は茎葉が20㎝~25㎝に伸びたものを順次収穫します。

その後も順次わき枝が伸びてくるのでそれも収穫できます。

⑦その他

シュンギクは病害の発生の少ない野菜です。それでも気温や湿度が高いとべと病などが発生します。農薬など適切に用いて予防しましょう。また害虫の発生には、防虫ネットを用いて被覆すると効果があります。プランターで栽培するときは市販の培土を用います。

やわらか丸葉しゅんぎくは、肉厚の葉でクセもなく食べやすい品種です。プランターに作って外葉から摘み取れば、サラダなどに使うのに好適です。