センゴクマメ

 

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①作物特性

フジマメは地方によってセンゴクマメ、アジマメ、カキマメ、ダラマメなど、様々な呼び名があるマメ科の野菜です。富山県、石川県、岐阜県、愛知県、三重県などで栽培されていますが、岐阜県では「千石豆」は飛騨・美濃伝統野菜ですし、石川県では「加賀つるまめ」として加賀野菜に認定されています。夏に向けてつるを伸ばして栽培し、インゲンが夏の暑さで花が落ちる時期にも莢ができ、また独特の風味から古くから重宝されてきたものです。病気にも強いことから簡単に栽培でき、グリーンカーテンとしてプランターを利用したベランダや庭先での栽培にも適しています。ちなみに関西ではフジマメは隠元禅師が中国から持ち帰ったとして“隠元豆”と呼び、インゲンを“三度豆“と呼ぶことがあり、非常に複雑です。

②畑の準備

連作は嫌うので3~4年マメ科野菜を作っていない畑を選びます。畑にはあらかじめ1m²当たり堆肥3kg、苦土石灰120g、化成肥料50gを施し、よく耕しておきます。

③タネまき

畑に直接タネをまくこともできますし、ポットで苗を作って栽培すれば鳥害などに有効です。

直径9cm程度のポットに市販の育苗培土を8分目までつめます。深さ2cm位のまき穴を3ヶ所あけタネをまいて土をかけ、上から軽くおさえます。しっかりと水をやり、陽当たりの良い場所で育てます。発芽適温の地温25~30℃となるような工夫や、乾燥させないよう管理には注意が必要です。

本葉が出たら間引きして、元気の良い株を1本残します。

④植えつけ

幅90cm高15cm位のうねを立て、マルチを張ります。

約1ヵ月間育てた本葉3~4枚くらいの苗を定植します。平均気温15℃以上で、遅霜の心配がなくなってから植えつけましょう。株間は30~40cmが適当です。ポットがすっぽり入る位に植え穴をあけ、苗を植えつけます。

植えつけた後はしっかりと水をやりましょう。ネットに絡ませるまでは短い支柱を立て支えます

⑤管理作業:ネット張り・整枝

支柱を立ててネットを張り、つるをからませて育てます。支柱は風などで倒れる危険性がありますので丈夫でしっかりと立てます。

大きくなる前にネットを張り、絡ませます。ネットの上まで来たら摘心します。

⑥その他の管理

着果が始まれば7~10日間隔で1株当たり化成肥料30gを追肥して株の勢いを保ちましょう。

⑦収穫

開花してから5日位の5~6cmの莢から収穫できます。

とり遅れると莢は硬くなり、また莢の中の豆が大きくなり食味も劣ります。早目の収穫を心がけましょう。