ヘチマで作ろう!

  • 文字サイズ

ヘチマは天然繊維が取れることから、昔から様々な利用がされてきました。最も有名な利用は炊事用のスポンジでした。そして最近は入浴時のボディースポンジとして利用する人も増えています。天然繊維の適度な刺激が、血行促進や角質除去の効果を期待してのことかも知れません。そしてもう一つ、ヘチマ繊維は靴の中敷きとして昔は大変重宝されてきたのです。そこで今回はヘチマ繊維を使っての室内用の涼しいスリッパの作り方を紹介します。

① 準備するもの
・乾燥させたヘチマ(乾燥させたヘチマの作り方は【ビギナーズマニュアル;ヘチマ】をご覧ください)
・鼻緒(自分でも作れますが、呉服売り場でも買えます)
・麻ひも
・毛糸針(麻ひもが通る位のもの;購入する場合は15番位)
・木工用ボンド

② 作り方
手順1;乾燥ヘチマを加工して平らのスリッパ地を取ります
手順2;足の大きさに合った型紙を作り、切り取ります
手順3;作りたい大きさの足形を取ります。
手順4;鼻緒を着けます。
手順5;かがり縫いで周囲を調えて完成!

それでは手順に沿って説明しましょう
手順1;乾燥ヘチマを加工して平らのスリッパ地を取ります

最初に真ん中の空洞にハサミを入れて開いていきます。

開いたら今まで中心に向かって出ていた部分があるのでその部分を切り取ります。

手順2;足の大きさに合った型紙を作り、切り取ります

平らに加工するためには、まずたっぷり水を吸わせてやわらかくします。

アイロンでしっかり平らに仕上げます。

手順3;作りたい大きさの足形を取ります。

段ボール紙などを利用して型紙を切り取ります。

型紙通りにヘチマを切り取り、左右それぞれ少なくとも2枚づつ切り取ります。
もし厚手のスリッパを作りたいなら更に切り取って重ねましょう。

ヘチマの外側がやわらかいので、それが足の裏に当るように右左を作ります。
(この段階のものは、このままで靴の中敷きにも利用できます)
手順4;鼻緒を着けます。

鼻緒を付ける所に印をつけてから釘や千枚通しなどで穴をあけて鼻緒を通します。

鼻緒のひもの先をていねいに結んで余分なひもを切り取ります。

裏面の繊維を木工ボンドなどで付けます。

手順5;かがり縫いで周囲を調えます。

麻ひもを使って周囲を1cmほどかがり縫いしてしっかりと固定させます。

完成

ヘチマうんちく

その1;どうしてヘチマは“ヘチマ”なの?
ヘチマは中国では糸瓜(スーゴア)と言いますが、これを日本語読みすると“いとうり”となり、それから“とうり”に変化したという説や、中国(唐)から渡ってきたウリの仲間として“唐瓜”(とううり)と呼ばれていたものが、その後“とうり”と変化したのではないかとも言われています。いずれにしても“とうり”の「と」は、いろは歌の「いろはにほへとちりぬる・・・」の、「“へ”と“ち”の間」にあるので「へち間」→「ヘチマ」と呼ばれるようになったと言うのが有力な説です。一方沖縄では“ナーベラー”と呼びますが、繊維を「鍋洗い」に使うことに由来するとも言われています。

糸瓜(いとうり)→とうり→
唐瓜(とううり)→とうり→
  →→→いろはにほへとちりぬる・・・
 「へ」と「ち」の間にあるから→へちま

その2;ヘチマ料理あれこれ
ヘチマの若い果実は野菜として食べることができます。九州南部では味噌汁の具に使われることが多く、特に有名なのは沖縄料理のヘチマの炒め物“ナーベラーチャンプル”や煮物の“ナーベラーンブシー”です。暑い夏の日には、ヘチマのとろけるような食感とあっさりした味がたまりません。

その3;ヘチマ水について
ヘチマ水は化粧水として古くから使われています。ヘチマ水の中に入っているサポニンの働きが肌の活性を促し、肌荒れを予防し肌の老化を防ぎます。中秋の名月にヘチマ水を採ると美人になるとの言い伝えがあります。またヘチマ水は薬にもなります。痰が絡むときにはヘチマ水でうがいをすると咳を抑えて痰を切り、楽になります。
正岡子規は結核で亡くなったことから子規の命日9月19日は、絶筆となった句にヘチマがが詠み込まれていることから「へちま忌」と呼ばれています。
【糸瓜咲いて 痰のつまりし 仏かな】
【痰一斗 糸瓜の水も 間に合わず】
【をとといの へちまの水も 取らざりき】

ヘチマは春にタネをまいて育てるとグリーンカーテンとしても利用できます。害虫や病気の害も少ないので比較的簡単に栽培できることから植物を観察するのには都合がよい植物です。雌花・雄花の区別もありますから、受粉・受精の意味を理解するのにも好都合で、更にヘチマ水を採取したり、果実から天然繊維を取り出して工作も楽しめます。

子供たちと一緒にヘチマを作って楽しんでみませんか!

制作に協力してくれた田中碧さんの自由研究ノート。ご協力ありがとうございました。