ミツバ

 

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①作物特性

ミツバは数少ない日本原産の野菜で、セリ科に属する宿根性の作物です。発芽が難しいですが、陽当たりも水はけも良くない条件の悪い場所でも比較的簡単に栽培できます。逆に乾燥には極めて弱く、生育適温は15~25℃で冷涼な気温を好みます。暑さや寒さにも弱く、霜に当たると地上部は枯れ、根株が越冬します。摘みたてのミツバは香りも良く、吸い物、おひたし、卵とじなど、わずかでも利用すれば一気に高級感のある料理になる和食には欠かすことのできない品目です。名わき役といった野菜ですから、家庭菜園には取り入れておきたいものです。

②畑の準備

ミツバは日陰で湿気の多いところでよく育ちます。日当たりが良い場合は他の作物の陰になるような場所を選ぶと良いでしょう。また連作を嫌うので3~4年ミツバを作ってない場所を選びます。一般的な元肥量は1m2当たり堆肥2kg、苦土石灰100g、化成肥料50gです。

③タネまき

ミツバは好光性種子ですから土をかけすぎないように注意します。約1cmの深さにタネをまき、タネが見えるくらい薄く土をかけて鎮圧します。ミツバは元々発芽率の低い植物ですので、タネをガーゼに包んで一晩水に浸けておくと良いでしょう。

芽が出るまではていねいに水をやります。またミツバは好湿性ですから畑が乾きすぎないように管理します。発芽まで10日位かかりますからもみ殻などを利用するのも有効です。

ポットにタネをまいて畑に植えつける場合、本葉4~5枚の頃に植えつけます。

④管理作業

生育に応じて間引きをして最終的に株間5cmにします。

最後の間引きの時に軽く中耕し、株元に土を寄せます。

⑤収穫

約30cm以上になればハサミで株元を少し残して切り取り、青ミツバとして収穫します。株を弱らせないように収穫する葉を調整して利用すれば、長く収穫できます。また株の状態をみながら追肥をします。

⑥プランターでの栽培

プランターでも簡単に栽培できます。ミツバは陽当たりの良くない場所でも育ちますから、ぜひ挑戦してみましょう。

⑦根ミツバ栽培に挑戦

根ミツバは春先に伸びてくる前に土を盛って株元を軟白したものです。春にしか食べることができませんが、しっかりとした歯応えと香りが何とも言えません。一年間育てた株を使って挑戦してみましょう。

冬に地上部が枯れたら、枯葉などをきれいに取り除き、その上に土を盛ります。盛土は株元から20cm位の高さに盛ります。

春になり新芽が伸びてきたら適当な時期に掘り取ります。プランターで育てた株も同様に土を盛って軟白することができます。