園芸講座❽

タネまきの再確認

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発芽には水と酸素と温度が必要です!

発芽に必要な3要素

タネの発芽にはまず水分が必要です。そしてそれと同じくらい酸素も必要です。さらにその野菜にとっての適温になってはじめてタネは発芽します。

タネも呼吸しています

タネが正常に発芽するためには酸素が必要と言いましたが、タネを水に浸してからまいたり、水はけの悪い土を使ってタネをまいたり、強い雨でタネをまいた土の表面が固まってしまったり、タネをまいた後に水をやりすぎたために逆に窒息してしまったりと酸素不足になる原因はたくさんありますから注意しましょう。

水はけの良い土と悪い土を使って実験してみました

市販の育苗培土と何も手を加えていない畑や水田の土を使って実験してみました。

写真の1は市販の育苗培土。写真の2は粒の細かい畑の土で、写真の3は水田の土です。わかりやすいように発芽に十分な酸素を必要とするインゲン、エンドウ、エダマメなどマメ科野菜のタネを使ってタネをまいてみます。


下の写真はタネをまく前に水をやった状態です。

左側の1はフカフカで、土の塊の間に隙間が十分ある状態で(専門的には団粒構造が発達している状態)ですから水はけが極めて良いです。

逆に右側の2と3の土は粒も細かいので水はけが悪いのが分かります。

それではタネをまき、苗を育てた結果を見てみましょう。


インゲンの場合(左から1、2、3の土にタネをまいて育てました)


エンドウの場合(左から1、2、3の土にタネをまいて育てました)。


エダマメの場合(左から1、2、3の土にタネをまいて育てました)。


いずれも水はけが良く、空気(酸素)を充分含んでいる1の土が発芽に適しており、水が十分にあっても、水はけが悪いくらい空気も含まない土では極端に発芽不良を起こすことが分かります。


発芽までは水分を切らさないように管理しますが、酸素も十分にある状態で管理することがスムーズに発芽させるポイントです。

なおポットに畑の土を入れてタネをまく場合、腐葉土などを混ぜ込んで土の中に十分空気が含まれるような工夫が必要です。

発芽に適した温度ですか?

タネが発芽するためには温度が必要です。そしてこの発芽に適した温度は種類によって違います。またこの温度は気温でなく地温なので注意が必要です。春先に暖かくなってきたからといって、発芽温度に達していない土にタネをまいたら発芽に支障をきたします。早くまく時はビニールのトンネルやフィルムで保温して下さい。

気温が低くて発芽に支障をきたすのは、主に春まき時期です。 年により春先の気温のばらつきがあるため、地温に注意し、充分に暖まってからまくことが大切です。

逆に気温が高くて発芽不良になる場合もあります。詳しくは園芸講座⑩「タネの発芽適温について」をご覧ください。