ソラマメ

 

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①栽培特性

ソラマメ栽培で最も気をつけなくてはならないのはアブラムシです。野菜の中でもアブラムシの発生がもっとも多い作物の一つですから、アブラムシ防除用のマルチを用いて、また発芽や植えつけ後にアブラムシ防除用の農薬を適切に使用するのも効果的です。ソラマメは小さい苗の時期は耐寒性が強いのですが、植物体が大きくなってからの低温には弱く、軽い霜でも障害が出る場合があります。栽培地の気象環境に合わせてタネまき時期を決めましょう。

②畑の準備

ソラマメは連作障害のでる作物ですから3~4年間、ソラマメや他のマメ類を栽培したことのない畑を準備します。あらかじめ1㎡当り堆肥2kgと苦土石灰120g、化成肥料を50g施し良く耕しておき、幅60cmのうねを立てます。うねの高さは15cm位が最適ですが、排水の悪い畑ではもう少し高いうねを立てるとよいでしょう。マルチを張ると雑草防除と地温確保、土壌水分保持に有効です。ソラマメの場合はアブラムシの飛来をできるだけ少なくするためにシルバーラインの入った黒マルチが特におすすめです。

③タネまき

ソラマメはタネまき直後に、鳥による食害が多いのでポットなどを利用して苗を作り、植えつける方法をおすすめします。直径10~12cmのポットに市販の育苗培土を8分目までつめます。タネの下にあるオハグロ(黒いスジ)の部分を斜め下に向けて差し込むようにまき、タネの上部を土の上に少し出します。

ソラマメは苗を大きく育て過ぎると、寒さに対して弱くなる性質があります。早まきは避け適期にタネをまきましょう。

鳥の食害を防ぐためにテグスや防鳥テープなどを畑の周囲に設置したり、ポットの上に防虫ネットを利用するのも有効です。本葉2~3枚の頃、生育のよい株を1本残して間引きます。間引きにはハサミを使い、根元を切りとり行いましょう。

④植えつけ

約20日間育てた本葉2~3枚の頃が植えつけの適期です。深植えを避けてうね面と同じ高さになるようにポットがすっぽり入る位に植え穴をあけ、根鉢をくずさないように注意して植えます。天気がよく、風の弱い日に植え付け、その後しっかりと水をやりましょう。

⑤管理:冬越しの工夫

落ち葉やワラを株のまわりに敷いて霜よけをします。特に地際部の茎を寒さから守るように敷きます。

トンネル状に虫除けネットか寒冷紗をかけて直接の霜を防ぎます。

⑥整枝管理

ソラマメは1株から10本以上の枝(わき芽)が発生します。春になりそれらの枝(わき芽)が伸び始める前に、はじめに伸びている親枝を摘除します。側枝(わき芽)が20~30cm程度に伸び始めてきたら、生育が良く強い側枝(わき芽)を6本程度残して、それ以外は取り除きます。

中心の枝をまず切り取り、その後小さな枝から切っていきます。

大きく太い枝6本に絞り込みます。

株の中心のところに上から土を盛ることで、次に出るわき芽の発生を抑えます。

⑦誘引

わき枝が伸びるにしたがい、株から少し離れたうねの四隅にしっかりと支柱を立てて、枝が広がることで通路に倒れないようにひもやビニールテープなどで囲います。2~3段、テープで誘引すると風による倒伏が少なくなります。

あらかじめテープを張っておくことがポイントです。

伸びるに従いテープを上に追加していきます。

⑧摘芯

開花して莢が肥大するにつれて、草丈も伸びてきます。草丈が1.5mくらいになったら、莢の肥大を促進させるために先端を摘芯します。

この時弱い枝があれば切り取れば、しっかりと実が入った莢を収穫できます。また若くてやわらかい芯先に寄生しやすいアブラムシの防除にもつながります。

⑨追肥・その他の管理

花が終わり、莢が肥大してきたら株元に化成肥料を1株あたり40g施します。なおこの時に土寄せを行うと、雑草の防除だけでなく枝の倒伏予防にもなります。株の中心部分や伸びている枝の周囲にしっかりと土寄せをします。

ソラマメは1つの節に2~3個の花が着生します。生育が順調ですといずれの花も肥大します。収穫できる莢の数は減少しますが大きな莢を収穫したい場合には、同じ節に着生して先に大きくなった莢を1つだけ残し、他は摘除します。この作業は莢が大きくなってからでは効果が低いので莢の大きさが小指大の時に行います。

⑩収穫の目安

上を向いていた莢が下に垂れてきて、背筋が黒褐色になり、光沢が出てきたら頃が収穫適期です。

ハサミなどでていねいに収穫しましょう。