マクワウリ

 

  • 文字サイズ

①作物特性

メロンが今ほど一般的に食べることができなかった時代は、マクワウリがもっぱら楽しみとされていました。今でもその何とも言えぬ香りと甘さが、好きな方にはたまらないものです。最近は市場でもなかなか見かけませんから、昔ながらの風味を味わうには家庭菜園で作るしかないのかも知れません。メロンほど栽培は難しくありません。梅雨明けまで病気を出さずに株を作ることがポイントで、家庭菜園でぜひ挑戦してもらいたい作物です。つるを伸ばして栽培しますから、ある程度の広さが必要です。場所がない場合はプランターを使った立体栽培もおすすめです。

②畑の準備

畑にはあらかじめ1㎡当り堆肥3kgと苦土石灰100gを施し、よく耕しておきます。

その後、植えつけ前に化成肥料を1 ㎡当り80gを施し、幅90cm、高さ15cm位のうねを立て、マルチを張ります。

つるを伸ばす方向を決めてうねを作る必要があり、つるを伸ばす場所としてマルチの端から少なくとも2m位確保しておきます

③タネまき

発芽温度が比較的高いので暖かくなってからタネをまきます。ビニールポットにタネを2~3粒くらいが目安で深さ2cm位の深さにまき、発芽まで乾燥させないようにすることが大切です。

本葉が出たらポットに1株に間引きします。

④植えつけ

本葉3~4枚の苗をうねの中央に植えつけます。株間は60cmが適当です。深植えを避け、うね面と同じ高さになるようにポットがすっぽり入る位に植え穴をあけ、根鉢をくずさないように注意して植えます。

天気がよく、風の弱い日に植えつけ、その後しっかりと水をやります。植えつけは遅霜の恐れがなくなってからにしましょう。

⑤管理作業(整枝・誘引)

つるがビニールマルチからはみ出るまでに敷きわらなどをします。

そしてまず親づるの葉を5枚残してつる先を摘み、親づるから発生する勢いの良い子づるを3~4本伸ばします。

その後、子づるの4節目までに発生する孫づるは早目にとり除きます。

子づるは10節位で摘心し、孫つるの発生を促します。

孫づるは葉を2枚残して芯を摘みます。

⑥その他の管理

着果したら1株当たり化成肥料30gを追肥します。

ソフトボール位の大きさになったら果実マットを下に敷き、地面に直接当たらないようにします。

果実の下の部分は光が当たりにくく、果実に色がつきにくいので、10日間隔で果実を少しまわして光が当たるようにすると色だけでなく、果実内部の果肉の色もきれいに着色して味のむらもなくなります。
マクワウリはメロンほど病気に弱くはありませんが、べと病やうどんこ病が発生します。アブラムシも発生するとウイルス病も発生しますので、定期的に農薬を適切に使って防除します。

⑦収穫

受粉から収穫までは盛夏で約35日前後です。果実から甘い香りがしてきたら収穫します。

過熟になると風味も落ちます。収穫後も成熟が進むので、なるべく早く食べましょう。

マクワウリの場合は果実の亀裂が食べ頃サインです。