ラッキョウ

 

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作物特性

ラッキョウは植えつけておくだけで難しい管理がありません。丈夫でやせ地でもよく育つので初心者でも簡単にできる野菜です。ただし秋口に植えつけ、収穫は翌年の夏ですから長く畑を占有するので植えつける場所は慎重に選びましょう。

葉が緑の若々しいうちに収穫したものはエシャレットとしてみずみずしくパリッとした歯ざわりと爽やかな風味が味わえます。ラッキョとしては通常種球を植えつけた翌年の夏に掘り上げて収穫しますが、そのまま畑で育て続けて二度目の冬を越えさせると更に分球することで皮がより薄くなって繊維質が細かくなり、通常のラッキョウより凝縮した味と食感の良さが楽しめると喜ばれており、これを花ラッキョウと呼んでいます。

畑の準備

日当たりが良く、水はけのよい場所を選びます。畑には1㎡当たり、たい肥2.5kg、苦土石灰100g、化成肥料80gを施し、良く耕しておきます。

植えつけ

株元でつながっている種球(専門的には鱗茎(リンケイ)と呼びます)を1片ごとに分けておきます。

株間10~15cm、深さ約5cmの植穴に1~2片ずつ、尖っている方を上にして先端がわずかに見える程度に埋め込むように植えつけます。

深すぎると芽の出が遅れ、浅すぎると寒さの影響で不安定な成長になり、また分球が進んで小玉になる危険性があります。植えつけたらしっかりと水をやります。

雑草防除と冬場の土壌水分保持の目的でマルチ栽培は有効で、15cm間隔に穴の開いた黒マルチが便利です。なおマルチ栽培の場合は土寄せが十分にできない可能性もあるのでやや深めに植えつけます。

植えつけ時に種球を1片ごとに植えると比較的大きなラッキョウが収穫でき、小さなラッキョウが採りたい場合は2~3球ずつ、それも浅植えにします。

日常管理

1カ月もすれば葉が出揃います。特別な管理は必要ありません。

越冬中に葉色は淡くなってきたら化成肥料を1㎡当たり30g追肥します。

春先、生育が旺盛になってきたら土寄せします。土寄せすることで株元に光が入るのを防ぎ、白く形の良いラッキョウができます。マルチ栽培の場合はマルチの上から軽く土をかけます。

収穫

春から初夏にかけて旺盛に葉が伸び出した4月中旬から5月中旬にかけて、若どりしてエシャレットとして楽しむこともできます。株ごと引き抜いて収穫します。

6月中旬から7月中旬にかけて葉が枯れ始めたら収穫です。スコップなどで掘り起こし引き抜いて収穫します。掘り上げたら1球ごとにバラバラに分けて葉と根を切り取って芯止め処理を行います。

芯止め処理

ラッキョウは収穫後、きれいに葉と根を取り除いてもすぐに中心から芽が出てきて成長を続けようとします。そのため芯止め処理は欠かせません。

芯止め処理の方法;洗ったラッキョウ1kgに約20gの塩をまぶして一晩置き、翌日塩を洗い流してしっかりと水を切る。

花ラッキョウ作り

冬を2回越して更に分球させたものを花ラッキョウと呼びます。花ラッキョウを楽しむ場合、収穫せずにそのまま畑で育て続け夏越しさせます。秋に花が咲きますが摘む必要はなく、そのままにしておいて問題はありません。

そして追肥を行い二度目の冬を越えさせます。すると分球が進み小粒ですが1株で20球ほどになり皮は更に薄くなって繊維質が細かくなります。通常のラッキョウより凝縮した味と食感の良さが楽しめますのでぜひ試してください。