園芸講座⓫

プランター栽培

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準備するもの

プランターの種類と選び方

プランターには様々な種類があります。育てる野菜の種類によって適切なものを選びましょう。

プランターに使う土について

市販のプランター用培土を使うことをおすすめします。すでに消毒してありますから、雑草が生えてくることも、育てる野菜が病気に罹ることも少なく、生育に必要な肥料分も適切な配合で入っています。

タネのまき方

ばらまき

ベビー野菜(ラディッシュ(二十日ダイコン)・ベビーリーフなど)

タネをまく前にしっかりと水をやって土を湿らせておきます。タネは全体的に広げるようにパラパラとばらまきします。タネとタネの間隔は約1cmが適当で、その後タネが見えなくなる程度に軽く土をかけます。水やりはタネが流されないように丁寧にやります。

すじまき

小型の葉菜類(小松菜・水菜・ホウレンソウ・チンゲンサイ・小ネギ・シュンギク・レタス・シソ・パセリ・バジル・その他ハーブ類)

これらの野菜は10cm間隔に約1cmの深さのまき溝を付けます。定規のようなものでもかまぼこ板のような板切れでもよいでしょう。まき溝の底に約1cmの間隔にタネをまき、その後溝の両脇の土を使ってタネに土をかけます。タネまき後はタネが流されないように丁寧にシャワー状にしてしっかりと水をやります。

点まき

果菜類やマメ類、その他大きくなる葉菜類など

充分な株間が必要な種類は点まきします。10~15cm間隔にまき穴を付けて1カ所に数粒ずつタネをまき、土をかけます

≪重要≫バジルやシソは発芽に光が必要な好光性種子と呼ばれる種類です。光が届かない深さにタネをまくと発芽しません。まき穴の深さは5mm程度で、タネの上にかける土はごく少なく、タネがわずかに隠れる程度とします。水やりはタネが流されないように丁寧に行います。最初は霧吹きなどを利用するのも良いでしょう。

≪重要≫マメ類の栽培ではタネまきは特に注意しなくてはいけません。タネは十分乾燥されていますから、タネまきの後に多量の水分を一気に吸収すると急激な膨潤肥大に耐えられず発芽不良になることがあります。発芽できても傷ついた双葉(子葉)で生育遅れが発生し、最悪枯れてしまうこともあります。そのためタネをまく1日前にプランターに充分水をやっておき、タネまき当日から数日間は水をやらないでおきます。土の表面が乾いてきてから定期的な水やりを開始しましょう。スムーズに発芽させるポイントは、タネに水分を徐々に吸収させることです。

栽培管理

間引き

発芽したら数回に分けて適切な株間にします。

小さいうちは手で簡単に抜けますが、マメ科野菜のような野菜はハサミで株元を切る方が残す株の根を傷めることがありません。

中耕

根に刺激を与え、土に空気を含ませます。

定期的に株元を軽く耕すことで成長を促します。

土が締まってくるようなら繰り返し行います。

誘引

つるが伸びる種類や大きくなる野菜を支えます。

キュウリはネットに絡めて伸ばします。

トマトやオクラは支柱を立てて縛るなどすれば良いでしょう。

エダマメやソラマメ、またインゲンでもつるなし種は倒れないように支柱を四隅に立てて周りをぐるりとテープなどで囲うと良いでしょう。

エンドウなど、つるが上へ上へと伸びる場合は、テープを追加していきます。

収穫とその後の管理

葉菜類は一般的に約20cmから収穫期です。あまり大きく育ち過ぎると葉質が硬くなり食味も劣るので、適期で収穫しましょう。

バジルやシソは、必要な分を摘み取ります。

ダイコンやカブは適当な大きさになったものから抜いていきます。

果実を長期間にわたって収穫する野菜は、果実が成りだしたら定期的に追肥をします。

その他の管理

生育初期から防虫ネットを使っておくと害虫の被害を軽減できます。

プランターの土の再利用

①乾燥させて土と植物体を分けます

栽培が終わったプランターを、水をやらずに一週間ほど雨のかからない場所に置き、土を充分乾燥させます。

地上の植物体を処分し、シートの上にプランターの土を広げて土をふるって根などを取り除きます。

②太陽の陽ざしを利用して熱消毒

ふるった土をビニール袋に入れて土の容積の約1/10の水を加えてなじませ、袋の口を閉めて太陽の熱で蒸気消毒します。

晴天が10日もあれば十分です。シートの上にまんべんなく広げて乾燥させます。

③肥料などの施用

堆肥、苦土石灰、化成肥料を混ぜます。堆肥は土の容量の約20%、苦土石灰は土1ℓに対して約10g、化成肥料は1ℓ当り3~5gが適当です。

よく混ぜてプランターに戻します。最近は園芸店やホームセンターで土のリサイクル材も販売されていますから利用すると便利です。肥料がなじむまで数週間は必要ですので、適度な湿度を保つようにして放置します。

最初は水が馴染みにくいので、何回かに分けて水をやり、落ち着いたらタネをまきます
なお前に作っていた作物が病気に罹っていたようなら、再利用は止めた方がいいです。また連作にならないよう注意しましょう。

プランター以外の利用

ベビーリーフなら身近にあるものを使って手軽に栽培することもできます。

これ位の容器でも十分収穫できました。

インテリアショップなどで売っている小さな容器を使えばお洒落に楽しめます。

わんちゃんやネコちゃんの胃の中のヘアボール(毛玉)を気持ちよく吐き出すためのエンバクのやわらかい若葉も、家庭で簡単に栽培できますので挑戦してみてください。