ヘチマ

 

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①作物特性

ヘチマは一般的には支柱を立ててネットなどに絡ませて育てます。高温性の作物で、定期的な追肥と水やりを欠かせなければ特に問題なく育ちます。気温が充分であれば生育は旺盛で、つるがどんどん伸びていき、また果実も重くなりますから、丈夫な支柱を立ててしっかりネットに絡ませることが重要です

。若い果実はとろけるような滑らかさがありますが、日が経って繊維が発達したものは食用出来ません。食用にする場合はとり遅れないように注意しましょう。ヘチマ水をとったり、タワシを加工したりと、色々楽しめる作物です。

②タネまき

ヘチマのタネは発芽しにくいので、あらかじめ傷つけておくと良いでしょう。傷つける場所は、タネのへそと呼ばれる突起のある方ではなく、反対側の平らな方の端を爪切りで摘みます。

へそと呼ばれる部分から根が出てきます。こちら側は決して傷つけないでください。

タネは直接畑にまくこともできますが、通常ポットにまいて苗を育てます。発芽適温は地面の温度で25~30℃ですから、気温が比較的高くなってからまきましょう。直径10~12cmのポットに市販の育苗培土をつめ、深さ2cm位の深さにタネをまきます。

タネはポットに2~3粒くらいが目安です。土をかけて上から軽くおさえ、最初はしっかり水をやります。苗は日当たりの良い場所で育てましょう。本葉が出たら間引きをして、ポットに1株にします。

③畑の準備

植えつけの約2週間前には1㎡当り堆肥3kgと苦土石灰100gを施し、よく耕しておきます。その後、植え付け前に化成肥料を1㎡当り100g施しうねを立てます。

うね幅90cm、高さは15cm位が最適ですが、排水の悪い畑ではもう少し高いうねを立てるとよいでしょう。マルチを張ると雑草防除と地温確保、土壌水分保持に有効です。

④植えつけ

本葉3~4枚の頃に植えつけます。株間は1m位必要です。深植えを避けてうね面と同じ高さになるようにポットがすっぽり入る位に植え穴をあけ、根鉢をくずさないように注意して植えます。

天気がよく、風の弱い日に植え付け、その後しっかりと水をやりましょう。植えつけた後、ネットを張るまでは倒れないように簡単な支柱を利用します。

⑤管理作業

つるが伸び出したらネットに絡めて誘引します。支柱はしっかりしたものを使用します。

支柱に絡ませるように誘導していきます。つるが次々と伸びますので混み合わないように芯を摘みます。また株の状態をみて2~3週間おきに化成肥料を株元に追肥します。

ヘチマの花が咲く頃は受粉を助ける虫も良く飛んでいますので、人工交配する必要はないでしょう。

⑥収穫

花が咲いてから7~10日の若い果実を収穫します。育ち盛りの若い果実は繊維も発達していませんのでやわらかく食べることができます。

長さが約20cmの果実がやわらかく、それ以上の大きさの果実は繊維質が発達しますので食べることはできません。食用にする場合は収穫遅れがないように注意します。

⑦スポンジ用のヘチマの収穫と加工方法

スポンジとして利用するためには開花後40~50日以上経った完熟果実を収穫します。

バケツなど大きな容器に水を張り、一カ月程度置いてヘチマ果実を腐らせます。この時悪臭がするので注意します。

ていねいに果肉を取り除き、風通しの良い所で乾燥させます

⑧ヘチマ水採取

ヘチマ水は天然化粧水として、また咳が出る時のうがい用に利用する人も多くいます。株元から50cm~1mの高さでつるを切り、その先を下に向けて集めたい瓶などに挿します。つる先が抜けるようなら脱脂綿やアルミホイルなどで固定すると良いでしょう。また瓶に直接陽射しが当るようなら新聞紙などで陰にします。

数日間は切り口を新しくするとヘチマ水がとれることもあります。採取したヘチマ水は煮沸してコーヒーフィルターなどでこして冷蔵庫で保存します。