コマツナ

 

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①作物特性

従来コマツナは東京近郊(小松川地方、現在の江戸川区)の地方野菜のひとつでしたが、アクがなく、おひたし、煮食、炒め物、漬け物、サラダなど、用途が広い上に栄養価も高いことから、今では日本各地で広く栽培されているアブラナ科の葉物野菜の代表的存在となっています。暑さや寒さによく耐えるので栽培は極めて容易で、また比較的生育期間が短く、夏の高温期では20日前後、冬の低温期でも90日足らずで収穫できます。年間を通じて作ることができますが、秋まきの9月中旬〜10月上旬のタネまきが最適です。春まきは4月上旬~5月上旬にタネをまくと失敗が少ないでしょう。プランターでも手軽に栽培できます。

②畑の準備

ハクサイやキャベツなど他のアブラナ科野菜との連作は避けて畑を選びましょう。畑にはあらかじめ1㎡当たり、堆肥2㎏、苦土石灰100g、化成肥料80gを施し、よく耕しておきます。うね幅60cmで高さ10cmのうねを立てます。うねは水が溜まらないように平らに整えます。

③タネまき

条間20cmの間隔で深さ1cmのまき溝をつけ、スジまきします。
タネの間隔は約1cmで、土をかけて手で軽く鎮圧し、土を固めない程度にていねいに水をやります。

芽が出るまではタネが流れないようにジョウロを使ってていねいに水をやりましょう。

④間引き

発芽してきたら間引きを行います。生育に合わせて数回に分けて間引きし、本葉4枚までに最終株間の5cm程度になるよう1本立ちにします。

素直で勢いのある株を残すように間引きます

本葉3枚以降に間引く場合、残す株の根を傷めないよう根元をハサミ等で切って取り除くとよいでしょう。間引いた菜も汁の実などでおいしく食べる事ができます。

⑤管理

追肥は必要ありません。最後の間引き時に条間を軽く耕して株元に土寄せします。アオムシなど害虫防除に防虫ネットをトンネル状にかけておくと効果があります。また農薬などを適切に使用してその他の病害虫を予防しましょう。

⑥収穫

草丈20cm〜30cm頃が収穫の適期です。

そろそろ収穫期になるコマツナ。生育が早いので収穫期を逃さないように観察しましょう。

株元を持って株ごと引き抜いても良いですが、葉が折れたり傷ついたりするので、初心者は株元を包丁やハサミで切り取るのが良いでしょう。

⑦その他

保温用のビニールトンネルや不織布をべたがけすれば、秋の遅まきでの厳冬期収穫が可能です。またコマツナは生育が早く、一度に大きくなってしまっては採りきれませんし、葉も硬くなって美味しくなくなります。何回かに分けてタネをまけば収穫期もずれ、長く楽しむことができます。

プランターでも手軽に栽培できます。ばらまきすじまきでタネを多めにまいて10cm程度で収穫するベビーリーフ栽培も出来ます。プランターで栽培するときは市販の培養土を使うと失敗がないでしょう。

秋にタネをまいたコマツナがとり遅れて大きくなりすぎたら、そのまま春まで置いておきましょう。お彼岸が過ぎて暖かくなってくると蕾が上がってきますので、コマツナの菜花が収穫できます。花の咲く少し前の蕾を茎と一緒に摘み取れば、おひたしなどで美味しく食べられます。