ニンジン

 

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①作物特性

通常、夏にタネまきして秋から冬にかけて収穫します。また春にタネまきして初夏から夏にかけて収穫することもできますが、この場合はとう立ちや病気が発生しやすいので、とう立ちしにくく、病気に強い春まき用の品種を選ぶ必要があります。ニンジン栽培で最も難しいのは、発芽を揃えて初期生育をスムーズに乗り越えることです。芽が出るまで畑を乾燥させないように、また強い雨でタネが流されないようにしっかり管理する事と、雑草の勢いに負けないように除草を徹底することです。
ニンジンは、一般的には橙色のものが多く出回っていますが、その他にも様々な色のニンジンが存在します。それぞれ含まれる色素によって色が異なる訳ですが、橙色のニンジンには野菜の中ではトップクラスのβカロテンが多く含まれています。また金時ニンジンは綺麗な紅色をしていますが、その色素はトマトの色素と同じリコピンが多く含まれているためです。いくつかの品種を作って彩り豊かな食卓を楽しみましょう。

②畑の準備

畑に1㎡当たり堆肥2kgをタネまきの2週間前には施し、深めに耕して土とよく混ぜておきます。その後苦土石灰を100g、化成肥料100gを施して良く耕しておきます

③タネまき

深さ1cmくらいのまき溝をつけ、そこにタネを1cmの間隔を目安にすじまきをします。軽く土をかけた後、手のひらで軽く押さえます。発芽するまで乾燥しないように水をやり、適度な水分を保ちます。

まき溝をつけるのには支柱などを使うと便利です。

約1cm間隔にタネをまきます

軽く土をかけて上から手のひらで軽く押さえ鎮圧します。発芽が揃うまで土を乾燥させないよう、また大雨でタネが流されないよう、タネをまいたら直ぐにもみ殻をまくと乾燥防止や大雨の被害軽減に効果があります。

なお、もみ殻が風で飛ぶことや、スズメなどのいたずらを防ぐ目的で、もみ殻の上からべた掛け資材などをかけるとよいでしょう。

発芽が揃うまで比較的長い日数が必要で、適温でも約10日、低温下では3週間以上かかる場合があります。

④間引き(一回目)

本葉3枚目の頃になったら、1回目の間引きを行います。1カ所に多く生えている部分を間引き株間1~1.5cmくらいにします。1回目の間引きと同時に、雑草防除(除草)を行います。この時期は生育が非常に緩慢です。ニンジンが雑草の生育に負けてしまうと、徒長したりや生育不良を起こすので注意します。

⑤間引き(2回目)

本葉5枚目の頃に、2回目の間引きを行い、株間7~10cmにします。この時期から急速に生育が進みますので、間引きが遅れないように注意します。

⑥追肥・土寄せ

2回目の間引きと同時に、1㎡当たり化成肥料30gを追肥します。同時に肩部に日が当たり緑色に着色するのを防止するため、株元に軽く土寄せをして露出するのを防ぎます。

これ以降は難しい作業はありませんが、収穫まで除草や害虫の防除を行って下さい。また、ニンジンが肥大しはじめてから追肥を行うと根が割れてしまうので避けて下さい。

⑦収穫

タネをまいてから100~120日位で収穫できます

株元の土を軽く払い、ニンジンの肩の大きさを確認するとよいでしょう。

収穫は株元を持って引き抜くようにします。

⑧春まき栽培

春まきでのニンジン栽培では、必ず春まきできる品種を使います。たい肥や肥料などが十分に馴染むよう、タネまきの1カ月以上前には施し、良く耕しておくことがポイントです。

また春まき栽培では初期の寒さを防ぐためにビニールトンネルを使用します。

ビニールトンネルは生育時の気温に合わせて換気します。