セロリ
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①作物特性
セロリはセリ科の野菜です。日本では戦後になってからよく知られるようになってきた西洋野菜の代表種です。特に肉料理のにおい消しに重宝される香味野菜として知られていますが、ビタミン類が豊富に含まれているだけでなく、アピインという香りの成分が含まれていることから食欲増進、ストレス解消に効果があるとして、健康野菜としての面が大きいかと思われます。暑さに弱く冷涼な気候を好みますが、極端な低温にも弱く、5℃以下では生育できません。また乾燥にも弱いのでマルチを使って土壌水分を保ち、乾燥が続くようなら様子を見て水やりをする必要があります。
②畑の準備
畑にはあらかじめ1㎡あたり堆肥4kg、苦土石灰150g、化成肥料70gを施し、よく耕しておきます。
③タネまき・育苗
発芽がデリケートなので、ポットで育苗して植えつけるのが一般的です。直径9cm位のポットに市販の育苗培土をつめタネをまきます。好光性種子ですからタネまき時には土を薄くかけます。気温が高いと発芽しにくいので、タネまき後2日間ほど軒下などの涼しい場所で管理します。水やりはタネが水で流されることのないよう、最初は散水用のジョウロなどでていねいにやります。芽が出れば、苗は日当たりの良い場所で育て、水やりは軟弱徒長させないために「夕方にはポットの土の表面が乾く」程度にします。
セロリは発芽に際して好光性なので、土かけは極めて薄くしますが、園芸用の小粒のバーミキュライトを利用すると便利です。
本葉が出たら生育の良い株を残して間引きをします。間引きは生育に応じて数回に分けて行います。本葉5~6枚になったら植えつけます。セルトレーにタネをまいて育苗した場合は本葉3枚位が植えつけの適期です。若苗の方が速やかに活着します。
④植えつけ
過湿を嫌うので幅70cmで高さ15cmのうねを立てます。条間30cm、株間30cmが適当です。根が浅く、ほとんどが地表面近くにあるため環境変化に敏感です。肥効や土壌水分の急激な変化を防ぎ生育をスムーズに進めるためには、マルチ栽培がおすすめです。
根鉢をくずさないように注意して植えます。植えつけは天気がよい日を選び、その後しっかりと水をやりましょう。
ポットの根鉢の頭の部分に土をかけすぎないことがポイントです。
⑤その他の管理
セロリは病気や害虫の少ない野菜です。ただし過湿になると株が腐りだします。畑の水はけを良くすることや、マルチを使って泥のはね返りを防ぐことが有効です。なお株の状態をみて肥料が切れているようなら株元に化成肥料を少量追肥します。
草丈が30cm位になったら株元を段ボール紙などで囲い光を遮ると、約1カ月で白くやわらかな軟白セロリを育てることができます。
⑥収穫
セロリは草丈40cm程度になったら根元から切り取り収穫します。収穫が遅れると茎にすが入り食味が落ちます。なるべく若どりを心がけるようにします。
⑦プランターでの栽培
プランターでも栽培できます。水を切らさないことと、定期的に薄い液体肥料をやることがポイントです。