ツケウリ

 

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①作物特性

漬け物用のウリで、正式にはシロウリと言います。不思議に思うかも知れませんが、キュウリの仲間ではなく、メロンの仲間です。確かにキュウリほどの歯切れはないものの、独特の歯切れは何とも言えない味わいです。はぐら瓜やくろ瓜のようにやわらかい品種は浅漬けや鉄砲漬けにされ、夏のビールのつまみには最適です。また果実の硬くなる大白瓜などは、奈良漬などにされます。日本には非常に古くからあり、全国各地で独特の品種が浅漬けや奈良漬けなど、それぞれの利用法と共に受け継がれてきました。

②畑の準備

畑にはあらかじめ1㎡当り堆肥3kgと苦土石灰100gを施し、よく耕しておきます。その後、植えつけ前に化成肥料を1 ㎡当り80gを施し、幅90cm、高さ15cm位のうねを立て、マルチを張ります。つるを伸ばす方向を決めてうねを作る必要があり、つるを伸ばす場所としてマルチの端から少なくとも2m位確保しておきます。

③タネまき~育苗

ポットで苗を育ててから畑に植えつけます。発芽適温は25~30℃で比較的高いので、暖かくなってからタネはまきましょう。直径10~12cmのポットに市販の育苗培土を8分目までつめ、深さ2cm位のまき穴をあけ、1粒ずつタネをまきます。タネはポットに2~3粒くらいが目安です。土をかけて上から軽くおさえ、日当たりの良い場所で育てましょう。発芽まで乾燥させないようにします。

④植えつけ

本葉3~4枚で植えつけます。つるを伸ばす方向を決めてうねを作る必要があり、つるを伸ばす場所としてマルチの端から少なくとも2~3m位確保しておきます。株間は60cmが適当です。

植えつけは遅霜の恐れがなくなってから、また天気がよく、風の弱い日を選びましょう。

植えつけに際しては深植えを避け、うね面と同じ高さになるようにポットがすっぽり入る位に植え穴をあけ、根鉢をくずさないように注意して植えます。その後しっかりと水をやります。

⑤整枝・誘引

親づるの葉を5枚残してその先を摘心します。子づるが伸びてきますから、勢いの良い2~3本を伸ばしていきます。つるがビニールマルチからはみ出るまでに敷きわらなどをしておきます。子づるの4節目までに発生する孫づるは元から摘除します。その後子づるは10~13節くらいで摘心し、孫つるの発生を促します。孫づるの1節目に雌花が咲いて果実が着きますから、その先を2枚残して摘心します。

⑥追肥

果実が成りだしたら1株当たり30gの化成肥料をつる先に施します。その後は草勢を見ながら2週間おきに追肥します。

⑦収穫

品種によって用途もそれぞれですから、収穫サイズも異なりますが、目的の大きさになったら早目に果実を収穫します。こまめに収穫し、とり遅れの無いようにして、孫づるもこまめに摘心すれば、長期にわたってより多く収穫できます。

⑧その他

過繁茂にすると病気も発生しやすくなります。つるの伸びを良く観察して追肥の量を調整します。なお、べと病やうどんこ病、アブラムシの発生はあらかじめ農薬などを適切に使って定期的に予防します。