ミニハボタン作りに挑戦
はじめに
最近花屋さんで小さなハボタンを使ったフラワーバスケットをよく見かけますし、ホームセンターでもミニハボタンの苗が売られています。実はこのようなミニハボタン、自分でタネから育てることもできます。タネからなら、自分の好きな品種を使って好きな数だけ育てることもでき、楽しみ方はどんどん広がります。今回はミニハボタンの育て方についてご紹介したいと思います。
品種選び
ミニハボタンに使う品種には、特に制限はありません。どのような品種も後に説明する矮化剤(わいかざい)を処理することでミニサイズにできます。
タネまき
通常7月中下旬からがタネまきの時期です。一般的には連結ポットやセルトレイを使ってタネをまき、苗を育てます。
ポットの大きさは自由ですが、連結ポットなら36穴(6×6)または49穴(7×7)が適当です。
セルトレイなら128穴(8×16)が適当です。気温が高い時期ですので地温の上昇を防ぐため白いセルトレイを使うのも良いでしょう。
育苗用培土をポットに詰め、ポットの底から水が出るくらい充分に水をやって土を湿らせてから5mm程度の深さのまき穴を付けてタネをまきます。タネをまいたらバーミキュライトなどで覆土をします。覆土は2~5mm程度、まき穴が平らに埋まる程度にかけます。
育苗管理
発芽適温が20~25℃で、日中35℃以上にもなる暑さの中では発芽不良になってしまいます。気温が高い時期にタネをまく場合は、芽が出るまでの1~2日間は軒下など日光の当たらない涼しい場所に置きます。
発芽してきたら屋外に出し、土が乾くようならなるべく午前中に水をやって管理します。なお育苗中のポットは直接地面に置かずに台の上などに置いてポットの下に風が通るようにするとポットの温度も下がり生育も良くなります。
矮化剤処理
発芽して双葉が開いたら一回目の矮化剤(わいかざい)処理を行います。矮化剤とは植物の成長を抑制して草姿をコンパクトにできる植物成長抑制剤です。代表的な商品の「ビーナイン」や「スミセブン」は、ホームセンターや種苗店で入手することができます。それらを規定倍率に希釈して散布します。
矮化剤はなるべく気温の下がった夕方に散布し、その後の水やりは矮化剤が洗い流されるので禁物です。散布する日の午後早めにたっぷり水をやっておくことが必要です。ビーナインなら200~400倍に、スミセブンを使うなら10倍に希釈して苗全体にまんべんなくかかるように散布します。
鉢上げ
本葉が2~4枚になったらポリポットに植え替えます。ポリポットの大きさはお好みで直径6cm~9cmの大きさが適当です。育苗用の培土を使って植え替えます。
植え替えの際に2回目の矮化剤処理を行います。希釈倍率は1回目と同様でビーナイン200~400倍液、またはスミセブン10倍希釈液を用いて、一回目同様全体的にまんべんなく散布します。
その他、育苗中に注意することはコナガやヨトウムシなどの害虫対策です。アオムシなどに食害されないよう定期的に農薬を使って防除します。なお肥料が切れないように液体肥料を薄めて定期的に水やりの時にやるようにします。
屋外において育てると徐々に冷気を浴びてきれいに発色してきます。
品種特有の発色がみられてきたら寄せ植えなどに利用して楽しみます。
多粒まきでのミニハボタン楽しみ方
遅まきと多粒まきを組み合わせて、写真のようにミニハボタンを作って楽しむこともできます。9月上旬から中旬がタネまき適期です。
育てたい鉢などに直接タネをまきます。タネは1~2cm間隔にまいて、わざと密集させて育てます。あまりに混みあってしまったところは間引いておき、双葉が開いてきた頃から1週間に1回の間隔で薄い液体肥料(約500倍)を与えます。
11月になって寒さで発色が始まったら液体肥料を与えるのは止めます。黄色くなった下の方の葉はハサミで丁寧に切り取れば見映えがします。