ホウレンソウ
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作物特性
ホウレンソウは冷涼な気候を好み、寒さに強く氷点下10℃にも耐える一方で、暑さには弱く25℃以上では発芽不良や生育抑制が起こります。また酸性土壌では育ちません。畑の準備段階では必ず苦土石灰を多めにまいておきます。その他に特に栽培で難しいことはなく、生育期間も短いので家庭菜園で充分楽しめる野菜です。
ホウレンソウ栽培でよくある相談は発芽が揃わないということです。タネが土中で水分を吸うのに時間がかかりますから、発芽が不揃いになることがあります。タネまき前に芽だし処理を行うのは効果的です。また長日条件で抽苔します。日が長くなる4月~7月は抽苔の遅い晚抽性品種を選びましょう
畑の準備
過湿に弱い野菜ですから水はけの良い畑を選びましょう。酸性土壌に弱いので、タネまきの2週間位前に苦土石灰を多めにまいて耕してよく馴染ませておきます。一般的には1㎡当たり、堆肥2.5kg、苦土石灰150g、化成肥料70gを施し、うねを立てます。
うね幅は60cm位、高さは10cm位が適当ですですが、水はけの悪い畑では少し高くしましょう。
タネまき
条間15cmで1.5cmの深さにまき筋をつけてタネをすじまきします。
「あまいほうれん草を作ってみませんか」など、横に広がる品種は条間を20cm、株間を10cmにします。
タネの間隔は1cm位とし、その後土をかけて軽く土を押さえます。最初はしっかり水やりをしますが、タネが流されないようにジョウロでていねいにやりましょう。タネまき後や生育初期に強い雨に打たれると土の表面が固まり、発芽不良の原因となります。数回に分けてまき、防虫ネットなどをトンネル状にかけると安心です。
気温が高い時期のタネまきには、芽だし処理(催芽処理)が有効で、発芽が揃いやすくなります。タネは水を含ませたキッチンペーパーなどに包んでから乾かないようビニール袋に入れ、冷蔵庫に3日置いてから畑にまきます。
ただし、こうして芽だし処理したタネは逆に乾燥には弱いので、土から芽が出るまでは畑が乾燥しないように注意が必要です。
『驚きのサラダほうれん草』の栽培にあたって
この品種は初期生育がおとなしいので、お互い助け合って成長するようにタネは株間を狭くして多めにまくと良いでしょう。
特にマルチを使った栽培は有効で、15㎝間隔に穴の開いているマルチを用いて、1カ所4~5粒タネをまいて育てるとよいでしょう。
間引き・中耕
発芽したら、本葉1枚の頃に株間2~3cmに間引きます。
混でいるところを中心に順次行い最終的に株間を5cmにします。
最後の間引きの時に条間を軽く耕して株元に土を寄せます。
収穫
草丈が20cm以上に育ったら収穫します。
抜き取ると、葉が折れたり傷ついたりするので、株元を包丁やハサミで切り取るのが良いでしょう。
ベビーリーフ栽培
サラダなどで生食するにはベビーリーフがおすすめです。ベビーリーフの栽培は、条間10cmですじまきし、間引きをして最終的な株間を2cm位の密植にします。
草丈10cm位に育ったら収穫です。
プランター栽培
ホウレンソウは生育期間も短いので浅型のプランターでも栽培できます。初心者の方は、肥料や石灰などが生育に適した状態になっている市販の野菜栽培用の培土を使うことをお勧めします。
深さ1cm位のまき溝をつけて、約1cm間隔にタネをまきます。
土をかけ、タネが流されないようにていねいに水をやります。
発芽してきたら生育に応じて間引きます。最初は生育の劣ったものや、誤ってタネを落とし過ぎた株などを間引きます。
本葉が展開してある程度になったら間引き菜を利用しながら順次収穫していきます。株間をあけるようにして収穫し、残った株が大きくなれるように間隔を取ります。
水やりでかたくなった土を定期的に耕し、土の中に空気を入れてやります。健康的でしっかりとした生育を促します。
20cm位になったら最終的な収穫です。株元をハサミなどを使って切り取ります。